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・日本での「Imeglimin」フェーズ3試験全3本の臨床試験で、計1,100人以上の患者登録を完了
・フェーズ3、TIMES試験結果は予定通り2019年に判明
・日本における新薬承認申請は2020年を目標

 2型糖尿病および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む代謝性疾患の革新的な治療薬の研究開発に取り組んでいるバイオ医薬品企業POXEL SA(本社:フランス リヨン、CEO:Thomas Kuhn、以下「Poxel社」)は、2型糖尿病治療薬として開発中の「Imeglimin」の日本におけるフェーズ3試験であるTIMES 2試験の患者登録が完了したことをお知らせします。

 TIMES試験は、Poxel社および大日本住友製薬株式会社との共同開発によるものです。当社は、2017年10月に大日本住友製薬との間で、日本、中国、韓国、台湾および東南アジア9カ国を対象としたImegliminの開発・販売提携契約を締結しました1。

 このたび患者登録が完了したTIMES 2試験は、日本人2型糖尿病患者700人以上を対象とした52週間のImeglimin単剤療法およびImegliminと他の経口血糖降下剤(DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、ビグアナイド薬、SU薬、GLP-1受容体作動薬など)との併用療法による長期での安全性・有効性を検討するオープンラベル、並行群間比較試験です。

 Poxel社CEOのThomas Kuhnは以下のように述べています。「大日本住友製薬との戦略的提携後、1年も経ずして、日本におけるImeglimin のフェーズ 3 TIMES試験をすべて前進させることができました。これも、大日本住友製薬との緊密な連携によるものです。TIMES 1 試験データの結果は2019年第2四半期に、TIMES 2およびTIMES 3試験の結果は2019年下半期へと予定通り進んでいます。また、完全子会社日本法人を東京に設立し、金子隆志氏をPoxel社メディカルシニアバイスプレジデントおよび日本法人社長に任命しチームを拡大しました。」

 Poxel社Late Development and Medical Affairs, Chief Medical Officer, Executive Vice PresidentであるChristophe Arbert-Engels, MD, PhDは「Poxel社により推進されているTIMES試験が予定通り進み、フェーズ3試験全3本において、計1,100人以上の患者登録が完了したことをご報告できることを大変喜ばしく思います。」と述べています。「TIMES試験の完遂に向けて、当社は提携する大日本住友製薬と緊密に連携し、2020年に予定している日本での新薬承認申請をサポートしていきます。日本における当社の短期的な目標は、2型糖尿病患者さんに新たな革新的治療選択肢を提供することです。」

 Imegliminは、新規の作用機序を有する経口投与の2型糖尿病治療剤の候補化合物であり、これまでの臨床試験の結果から、2型糖尿病治療の重要な役割を担う3つの器官(肝臓、筋肉、膵臓)を同時に標的とすることによって血糖降下作用を示すことが期待されています。また、これまでの非臨床試験では、2型糖尿病の病態への関与が示唆されているミトコンドリア機能を改善する可能性を示しています。これまでに、米国、欧州および日本において、1,200例を超える患者さんに対して、本剤のフェーズ1および2試験が実施されました。なお、アジアの糖尿病薬市場は、急速に拡大しており、日本単独の2型糖尿病薬の市場規模は、米国に次ぐ世界2番目の規模になります2。

TIMES試験について
 TIMES試験は、2型糖尿病を対象としたImegliminの日本におけるフェーズ3試験であり、1,100例以上の患者を対象に本剤1000㎎を1日2回投与する3本の臨床試験から構成されています。
TIMES 1:日本人2型糖尿病患者を対象とした24週間のImeglimin単剤療法による有効性、安全性および忍容性を検討するプラセボ対照二重盲検比較、無作為化試験(主要評価項目:HbA1cの変化量、副次的評価項目:その他の標準的な血糖・非血糖パラメーター)
TIMES 2:日本人2型糖尿病患者を対象とした52週間のImeglimin単剤療法およびImegliminと他の経口血糖降下剤(DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、ビグアナイド薬、SU薬、GLP-1受容体作動薬など)との併用療法による長期での安全性および有効性を検討するオープンラベル、並行群間比較試験
TIMES 3:日本人2型糖尿病患者およびインスリン製剤を使用して効果不十分な日本人2型糖尿病患者を対象としたImegliminとインスリン製剤との併用療法による有効性および安全性を検討する16週間のプラセボ対照、無作為化、二重盲検比較試験、およびその後36週間の継続投与オープンラベル試験

Imegliminについて
 Imegliminは、世界保健機関(WHO)によって新たな化合物クラスである「Glimins」として登録されており、同クラスとして初めて臨床試験が実施されている化合物です。本剤は、ミトコンドリアの機能を改善するという独自のメカニズムを有しており、また、2型糖尿病治療において重要な役割を担う3つの器官(肝臓・筋肉・膵臓)において、グルコース濃度依存的なインスリン分泌の促進、インスリン抵抗性の改善および糖新生の抑制という作用を示し、血糖降下作用をもたらすことが期待されています。さらに本剤の作用機序は、糖尿病によって引き起こされる細小血管・大血管障害の予防につながる血管内皮機能および拡張機能の改善作用や、膵臓β細胞の保護作用を有する可能性も示唆されています。本剤は、2型糖尿病治療における単剤および併用による血糖降下療法において、幅広く使用される治療薬となる可能性があります。

Poxel SA について
 Poxel SA(Poxel社)は、2型糖尿病および非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む代謝性疾患を対象とした医薬品の研究開発に注力し、開発パイプラインの拡大を進めています。ミトコンドリア機能障害をターゲットとした革新的主力製品であるImegliminについては、米国、欧州、および日本でフェーズ2試験を完了しています。さらに現在日本において、当社は提携する大日本住友製薬と共同で、2型糖尿病の治療を対象としたフェーズ3のTIMES試験(Trials of IMeglimin for Efficacy and Safety)を実施中です。米国および欧州など、大日本住友製薬との提携地域である日本、アジア各国以外の国々では、当社と提携するRoivant Sciences社がImegliminの開発・販売を担当することになっています。当社の第二の主力製品であるPXL770は、アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の革新的な直接的アクチベーターで、NASH治療を対象として現在フェーズ2aのPoC (Proof of Concept)プログラムに進んでいます。またPXL770は他の代謝性疾患の治療にも対応できる可能性があります。ミトコンドリアピルビン酸担体(MPC)であるPXL065(重水素安定化R-ピオグリタゾン)は、現在フェーズ1試験実施中であり、NASH治療に向け開発が進んでいます。 Poxelには、その他にも代謝性疾患、特殊疾患および希少疾患の重水素化薬剤候補を含む、初期段階にある開発プログラムも有しています。当社は今後も戦略提携やパイプラインの開発により、さらなる成長を目指します。詳細については、 www.poxelpharma.com をご覧下さい。

1 以下の国を含む:インドネシア、ベトナム、タイ、マレーシア、フィリピン共和国、シンガポール、ミャンマー連邦共和国、カンボジア王国、ラオス人民民主共和国
2 出典: Oppenheimer & Co. estimates.