スポーツをテーマに絵画アート作品を募集し、受賞作を表彰式や展示会などで企業・団体・個人に広め、障がい者の自立支援を目的とした「パラリンアートカップ2021」の各賞受賞作品を決定し、発表します。

第6回目となる今年度は140点の応募があり、東京オリンピック・パラリンピックの年にふさわしく多くの競技を題材にした作品が集まりました。中でも障がい者スポーツをテーマにした作品が、各ジャンル別で最多になり、パラリンピックに対する関心の高まりを感じさせました。また米国メジャーリーグ大谷翔平選手の活躍を反映して野球の作品も多く見られたのも特徴です。

パラリンアートカップ事務局では全作品を対象に厳正なる審査の末、入選作20点を選考、遠藤彰子審査委員長(武蔵野美術大学名誉教授)の下でグランプリ以下上位作を選定、またサッカーなどのプロ競技の現役選手が選ぶ各選手会賞、高橋陽一さん(漫画家/『キャプテン翼』作者)などの著名人による審査員個人賞など各賞を決定しました。

今回は発表した各受賞作品につきましては、『パラリンアートカップ2021』の公式Webサイト(https://www.asahi.com/sports/events/pacup/)で公開しました。また2022年1月には同web上に特別ギャラリー「パラリンアートミュージアム2021」を開設予定です。
パラリンアートカップ2021公式サイトはこちら
https://www.asahi.com/sports/events/pacup/

  •  パラリンアートカップ2021 受賞作品(敬称略)

グランプリ(最優秀作品)
■タイトル:「平和を求めて」
■作者  :北海道札幌市 まりも
■コメント:初めていただいた賞がグランプリで驚いています。この作品は、パラリンピックの開会式で世界中の選手の入場行進を見ながら、平和でなければスポーツに打ち込み楽しむことが出来ないんだ、と強く感じたので、戦争と平和をテーマに描きました。私は絵を描くことは決して得意ではなく、なかなか作品を仕上げられずしんどい時もありますが、今回の受賞は何よりの励みになりました。これからも描くことを通して人とのつながりを持てるように頑張りたいと思います。
■審査委員長寸評:オリンピックはスポーツの持つ力を伝えると共に、世界に対して平和のメッセージを発信する大会でもあります。東京大会でも紛争地域から多くの選手が参加し、その逆境に負けず、競技に打ち込む姿に、胸を打たれた方も多かったのではないでしょうか。そういった選手たちの背景に目を向け、作品を通して平和や希望のメッセージを伝えている点が、とても素晴らしいと感じました。選手の躍動感や構図の面白さにも魅力があり、グランプリに相応しい見事な作品だと思います。
■賞品:正賞=賞状、副賞=賞金10万円、特製シャーレ

準グランプリ
■タイトル:「希望の夜明け」
■作者  :北海道札幌市 花守洸果
■コメント:去年より上を目指していたので本当に嬉しいです!
コロナ禍で大変な日々が続く中、高揚と希望、憧れ、そして誠実さと日々積み重ねた努力は裏切らない。とテレビを見ながら勇気をもらい、日々を明るく前向きな気持ちを抱かせてくれたプレーを表現しました。これからも作品制作に真摯に向き合い、努力し続けアーティストとして活躍できるように頑張ろうと改めて思いました。
■審査委員長寸評:『大谷翔平が太陽までかっ飛ばした!』というアメリカ人解説者の声が聞こえてきそうです。一直線にスタンドへと向かう打球は、劇的過ぎるようにも思えますが、漫画の主人公以上に活躍する大谷選手だからこそ、この表現が合うのだと思います。躍動感、爽快感の感じられる作品です。
■賞品:正賞=賞状、副賞=トロフィー、画材

準グランプリ
■タイトル:「日本チャチャチャ!(ボッチャ)」
■作者  :青森県むつ市 安田晋司(風司やん)
■コメント:題名は『日本チャチャチャ!(ボッチャ)』ということで、ボッチャを描きました。力強いタッチで独自の心象風景を表現しています。荒々しい色使いで、絵に対する真剣な思いがにじみ出てくるような味わいがあるのではないかと思います。私の夢は画家として自立することです。私には絵しかない。もっともっといい絵を描いて、個展を開きたいという思いです。
■審査委員長寸評:左上に大きく描かれた赤い丸は、ボールとも太陽とも重なり、一球に懸ける思いと日の丸を背負う重責感を表しているように感じました。コートと選手の間にある緊迫した雰囲気が伝わってくる見事な作品です。
■賞品:正賞=賞状、副賞=トロフィー、画材

■各選手会賞 正賞=賞状

■審査員個人賞 正賞=賞状

 

■入選 正賞=賞状
二刀流 大谷選手 工藤由記雄(岩手県)
疾走 ティンくん(茨城県)
ホームランをねらうぞ!! 肥塚桃香(埼玉県)
闘魂! 湯町喜美子(東京都)
Jump High!  Arica(東京都)
Here We Go!  T.Igarashi(東京都)
想いは一つ ねこライス(石川県)
スープレックス 八木ひでとも(大阪府)
滑空せよ-パンダの國まで- HARUMARU♡(岡山県)
頂点目指して NAMY(愛媛県)
【審査員】(敬称略・順不同)

■遠藤彰子(えんどう・あきこ)審査委員長/武蔵野美術大学名誉教授
■日本プロサッカー選手会所属選手
■日本バスケットボール選手会所属選手
■日本ラグビーフットボール選手会所属選手
■日本プロ野球選手会所属選手
■高橋陽一(たかはし・よういち)漫画家/『キャプテン翼』作者
■北澤豪(きたざわ・つよし)サッカー解説者/日本障がい者サッカー連盟会長
■しずちゃん 南海キャンディーズ/絵本作家
■寺西一選手(てらにし・はじめ)ブラインドサッカー選手
■若月佑美(わかつき・ゆみ)女優
■野口みずき(のぐち・みずき)女子マラソン日本記録保持者/アテネ五輪金メダリスト

  • パラリンアートカップ2021概要

■主催:一般社団法人 障がい者自立推進機構
■後援:厚生労働省、観光庁、文化庁
■協力:日本プロサッカー選手会、日本バスケットボール選手会、日本ラグビーフットボール選手会、日本プロ野球選手会、全国特別支援学校長会
■メディアパートナー:朝日新聞社

  • パラリンアートとは

パラリンアートは「障がい者がアートで夢を叶える世界を作る」を理念に、2007年から15年間、障がい者アート事業を行っています。民間で障がい者の社会参加と経済的自立を推進するために、彼らが生み出すアートを出口とし、年間200社以上の企業様とアート企画やアート活用を行っております。障がい者アートを活用することで「SDGsの推進/社内浸透/社外周知」の3点を推進し、障がい者の報酬獲得や企業との交流、アーティストとしての社会参加を生み出しています。
https://paralymart.or.jp/association/