この度、日本財団ボランティアサポートセンター(以下、ボラサポ)は、2018年2月から3月までに韓国の平昌で開催された2018年平昌冬季オリンピック・パラリンピック大会において、ボランティアの募集から運営までのプロセスやその実施内容を調査し、「ピョンチャンオリンピック・パラリンピックのボランティアに関する報告書」(以下、報告書)を作成いたしました。
報告書は、ボランティア募集の流れから始まり、選考方法、募集の結果も詳細に書かれています。
報告書から以下の2点を紹介します。

1.職種による応募数の過不足
全体の応募総数は募集人数をはるかに上回っていましたが、募集した職種別応募率に大きな差が見られました。
以下、報告書より抜粋。


※17職種のうち、最も応募率が高かったのは「通訳」、最も低かったのは「交通案内」です。

2.10~20代が全体の8割強
ボランティアとして参加した10~20代の多くが大学生だったため、春学期間と重なるパラリンピックボランティア活動期間について、組織委員会と教育省とが授業日数認定要請を各大学に出したり、ボランティア対象のイベントとして就職説明会を開催したりしました。

また、調査を通じた東京大会への示唆としては、次の4つが挙げられます。
①ボランティア・ネーミングの活用 ②ボランティア教育研修の重要性 ③ボランティア環境の整備 ④ボランティア・サポート
特に、④については、ボランティア自身もそれをマネジメントする側も、「ボランティアはサポートが必要な存在であること」を認識し、トラブルが起きた際のストレスの軽減等、心のケアを含めたサポート体制をとることが必要だと締めくくられています。

ボラサポとしては、2020年東京大会の気運を高めるとともに、働く世代や主婦などの様々な人たちがボランティアとして活動しやすい環境となるように国内のボランティア文化の醸成を進めて参ります。

【ボラサポについて】
一般財団法人日本財団ボランティアサポートセンターは、2017年6月に東京2020組織委員会と日本財団が締結したボランティアの連携・協力に関する協定に基づき、ボランティア育成を通じた東京2020大会の成功とボランティア文化の醸成を目的として、当該協力に係る事業を実施する団体として設立されました。

ボラサポは、スポーツボランティアや障害者スポーツ、障害者理解等に関する専門知識、ノウハウ、ネットワーク、経験等を集約させ、東京2020組織委員会が行うボランティア運営に協力することで、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の気運を醸成しつつ大会成功へ導きます。

また、大会を支える11万人を超えるボランティアが、人とのつながりの中から充実感や喜びを感じることを通じて、大会終了後も日常的に様々な分野でボランティア活動に参加出来るようボランティア文化の醸成を目指しています。

​2020年東京大会ボランティア気運醸成ムービー「#2年後の夏」も公開中